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今度はイスラム国が生きたまま焼き殺す映像を配信

大量無差別殺戮を続け、世界中から非難を浴びているイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」を名乗るグループが、今度は、ヨルダン空軍のパイロット、モアズ・カサスベ中尉(26)を生きたまま檻に入れて焼き殺す映像を、インターネットに配信しました。

映像自体は22分でしたが、実際の殺害される場面は数分で、その数分だけを編集しなおした映像が、ユーチューブなどにもアップロードしたために、殺害場面だけを見てしまったかたも多いのではないでしょうか。

この衝撃的な映像を見てしまった人たちは、その複雑で強い衝動を抑えることができず、次々にフェイスブックやツイッターなどに感想を書き込んでいます。

とにかく、これ以上残酷なものはないでしょうし、この映像が残酷だというのは間違いありません。

そもそもこんな映像を、自ら見ようなんて思う人も、あまりいないかもしれません。

そのため、残虐な場面だけを見た人による、「残虐だ!」という感想が一人歩きし、そこから、イスラム国は許せない、となっています。

しかし、今回の映像は、いつもにも増して残酷ではあるのですが、そのうえ、いつもにはない、より踏み込んだメッセージが込められていたのです。

では、いったい何が違ったのでしょう?そしてそこに込められたメッセージとは何だったのでしょう?

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今までの映像とはちがった今回のヨルダン空軍パイロット処刑映像

今回の動画は今までの動画と違う点がいくつかありました。それは次の通り

  • 凝った撮影:複数のカメラを使い、綿密な演出が行われている。
  • 凝った編集:非常に手の込んだ編集が行われている。
  • 凝った台本:映像全体が一つのテレビ番組のようになっている

では、これらをひとつづつ、読み解いていきたい。

凝った撮影

今までの映像のほとんどは、一つだけのカメラを使用したものがほとんどでした。カメラアングルも、一つか二つ程度のもの。

しかし、今回の映像は、リアルタイムに進行している出来事を、いろいろなカメラアングルからとらえていることから察するに、少なく見積もっても、4台以上のカメラを使用している。

しかも、同時に複数のカメラを使用しているにもかかわらず、お互いのカメラが、それぞれのカメラアングルに入ってこないことからも、かなり熟練したカメラクルーによって、綿密なカメラ位置のセッティングがされていることが、わかる。

映画の場合、作り物の映像を、よりリアルに見せるために、カメラが映り込まないように細心の注意を払うものの、今回は、本物の映像だ。むしろ、撮影しているカメラが映り込んだほうが、よりライブ感が出る。

しかし、このリアルの映像を、映画で使用するようなカメラワークと演出でとることで、逆に、リアルの映像が、まるで、作り物の映像のように見える、不思議な感じがある。

この映像をとるには、かなりのプロフェッショナルなチームの協力がなければできないのであるが、いったい、どんな組織が、この映像に協力をしたのでしょうか。

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 凝った編集

撮影の仕方も非常に凝っているのだか、さらに編集の仕方も、非常に力を入れている。

それまでの映像は、せいぜい、字幕を入れたり、映像が始まる前と後に、クレジットを入れたり、ロゴを入れる程度だったはずだ。

しかし、今回は、映像と映像のつなぎに特殊効果を使用したり、パイロットが話をしているときには、その話の内容をわかりやすいように、絵や文字を使用して補足したり、火だるまのシーンでは、燃え盛る炎の様子を、より激しく演出するために、CGを使用している。

昨今、パソコンやソフトが進化したこともあり、素人でも映像編集が容易になったものの、この編集の仕方は、一朝一夕でできるような編集ではない。あきらかに、プロの映像編集者の手によるものだ。

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凝った台本

そして何よりも、今回の映像は、かなり練られたメッセージが込められている。

それまでの映像も、確かにメッセージはあった。しかし、そのメッセージは、単純な脅迫だ。

お前らが歯向かったから、犠牲者が出る!お前らが身代金を払わないから、犠牲者が出る!

そんなものだった。

しかし今回はそんな単純なものではない。ヨルダンのパイロットが、どのような人間か、どのような飛行機で、どのように空爆をしたか、そしてその空爆によって、どれだけひどい被害が出たかを滔々と説明している。

ヨルダン人パイロットに空爆の説明を一通りさせた後、空爆をしたであろう爆心地を歩かせて、ヨルダン人パイロットに自分がしたことを、見せつけているのだ。

映像の全体の長さは22分ほどであるが、その約20分程を、その前置きに使用しているのだ。

実に、綿密に、台本が作られている。

それによって、どのような効果があるか?

それは、もし、イスラム国が今までどんな蛮行をしてきたか、そういう予備知識が全くない人がいれば、イスラム国は、本当にひどいことをされた。それだからヨルダン空軍のパイロットが処刑されて当然だと、誤認させてしまうほどだ。

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空爆の被害や犠牲者を見せて、自分が戦闘機から行った空爆の罪深さを噛みしめよ。ということだ。

まるで、ヨルダン空軍パイロットに火をつけるイスラム国のメンバーは、まるで、多くの人々の怒りの代弁者であるかのような、そんな錯覚を起こすような筋書になっている。

処刑の進め方も、そうした空爆のひどさを、ヨルダン人パイロットに味あわせるためのものという演出のために、火だるまになった後に、ブルドーザーで上からがれきを落とし、空爆で殺された人たちの状況を再現しているようすがわかる。

そして、この火あぶりの刑には、もっと特別な意味が込められていたのです。

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イスラム教における焼身刑の意味

イスラム教では、遺体は土葬によって葬られます。なぜなら、イスラム教においては、死は一時的なものと考えられていて、死者は最後の審判ののちに、肉体をもって復活すると考えられているからです。

よって、日本のように火葬して骨だけにしてしまうと、復活ができなくなってしまうことになります。また、イスラムにおける地獄のイメージは、燃え盛る火炎のイメージが強いため、火葬をするということは、死者に地獄の苦しみを与える仕打ちだと考えるのです。

死者を火葬することでさえ、そう考えるのですから、人を刑で処するにあたって、焼身刑を選択するということは、首を切断することよりも、さらにひどい刑であり、侮辱であるのです。

よって処刑する側にとってもされる側にとっても、イスラム教徒にとって、焼身刑とは、とても特別な意味があったのです。

このことからも、今回のイスラム国の映像は、かなり強烈なメッセージが込められていることが、理解できたかと思います。

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戦後生まれの世代に突きつけた真実

これほどまで衝撃的で、ISIS側もこれほどまで念を入れてつくった映像を、私たちはただ単に、「残酷だ!」ということで、終わらせるべきではありません。

人が一人殺されることは、これほどまでに衝撃的で、これほどまでに深い意味があるのですが、戦争においては、実はもっと簡単に、もっと日常的に、そしてもっと大量に人が死ぬのです。

イスラム国の蛮行を決して肯定するわけではありませんが、たしかに、イスラム国が今回の動画でいみじくも訴えたように、一回の空爆は、パイロットにしてみれば、ボタンを一回押した程度のことかもしれませんが、そのボタンの一押しによって、たくさんの人間の苦しみが生まれているのです。

もちろん、イスラム国が行っている、無差別な殺人が、許されるわけでもない。

しかし、無差別な空爆も、無差別に無関係な市民を殺しかねないという現実を、突きつけられた形なのです。

 

そしてもっと大切な事実、それは、この空爆のひどさを訴えるイスラム国自体は、それ以上にもっと残虐なことを、やってきているのです。

まったく罪のない、サッカーを見てだけの子供を銃殺したり、女性を戦利品として性奴隷にしたり。 しかも、同じイスラム教徒の人々に対してです。

 

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